資料説明

人間を対象とした社会福祉的支援と「動物問題」は、実は頻繁に重複していることをご存じですか。

動物がたくさんネグレクトされている多頭飼育崩壊現場の当事者が、実は経済的に困窮していたり、健康問題を抱えていたり、社会的に孤立していたりして、動物と人間が共に支援を必要とする状況にあるケースが多いことは、最近ニュースなどでも度々報じられています。また、動物虐待と家庭内暴力が連動しており、例えばペットが虐待されている家庭では子どもも暴力を振るわれているリスクが高いなどということも海外の調査研究によって示されています。さらには、高齢者に入院や施設入所などの支援の手を差し伸べる際に、飼育しているペットの引き取り先が見つけられず、入院・入所が難航するなどというケースもしばしば報告されています。

多くの人々がペットを飼育し動物との絆を築いて生活している私たちの社会においては、上記の様々な例のように、人間と動物両方に支援を届けなければならない現場が増えつつあります。ペットを飼育している高齢者の入院・入所の例のように、動物に支援の手を差し伸べなければ人間に社会福祉的な支援を届けることが難しい場面や、子ども虐待の例のように、動物の状態に目を配っておけば支援が必要な人間にいち早く気づくことができるケースなど、人間と共に動物も救済することが、人間に社会福的支援を届けるためにもますます重要になってきています。

このような、人間側の社会福祉的課題と動物に関する様々な課題が交差する場面に対応する分野は「Veterinary Social Work (VSW)」と言われ、海外では注目が集まっています。

本電子資料は、このVSWとその対応領域に関する基礎知識を網羅したテキストです。VSWとは何か、何故VSWの視点が必要なのか、そして社会福祉的支援と動物にかかわる課題の接点にはどのような領域があるのかなどについて、トピックスごとにわかりやすく整理されています。

日本ではこのようなVSWの包括的な情報や知識を身に付けられるリソースが非常に限られている中、社会福祉関係者はもちろん、獣医療や動物保護などの動物関係の現場に携わっている関係者にも、人間と動物双方への支援の接点を学ぶためにご活用いただきたい電子資料です。

■サンプル

• 販売年月：　2022年4月


• 総ページ数：　60 ページ


• 資料種類：　ガイドブック