【アニマル・リテラシー】動物関連トピックス 2018
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 先月、楽天インサイト株式会社が公表したペットに関する調査の結果をまとめた記事を紹介します。 犬は約7割の回答者がペットショップやブリーダーから購入しているのに対して、猫については7割が拾ったり、知人・動物保護団体からもらうなど、金銭の発生しない方法で入手しているという点が、興味深い結果です。 犬については、いまだに「子犬から飼わないと懐かない」という考えを持つ消費者がいる一方で、猫に関しては最近保護猫カフェなど、新しい飼い主を捜している猫たちが脚光を浴びる場面が台頭してきている印象があります。 この調査の結果の背景にある要因はわかりませんが、新しい飼い主を探さなければならない犬猫たちがまだまだ多いこの社会において、消費者動向に関するデータを上手に活用した動物の保護・譲渡活動が展開されることを期待したいです。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 「デザイナー・ペット」に関する記事を紹介します。 かわいさを追求し、極端な外見を持つように繁殖されたペットです。折れた耳が特徴的な猫のスコティッシュ・フォールドや、パグのように極端に潰れた顏を持つ犬種などがこれに該当します。 このような極端な外見は健康上の問題もはらむという点に警鐘を鳴らすために、英国獣医師会が声明文を発表したそうです。 獣医師やブリーダーなどにおいては周知の事実ですが、幅広い職域の動物のプロや一般のペットの飼い主においてもこの知識が広まることを願います。アニマル・リテラシーを高めるための需要な情報です。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー オナガサイチョウという鳥をご存知ですか。東南アジアに生息する鳥なのですが、その特徴的なくちばし目当てに密猟が絶えない動物種の一つです。中国が大きな市場で、くちばしの末端価格は象牙をも上回るときがあるそうです。 記事中には「取り締まり機関や司法制度は麻薬の密売や人身売買といった組織犯罪には厳しく対処するが、野生動物の密輸に関してはそれほど真剣に扱っていない」ことを密猟にかかわる関係者が知っているとありますが、一見動物だけの課題である密猟も、環境保全など、その他の課題に密接に関係している重要な課題です。記事中でもあるように、この鳥は森林の再生に一役買っており、環境の維持という観点からも重要視されるべきです。 密猟にかかわる者を厳しく取り締まると共に、関係者にはぜひアニマル・リテラシーを高め、動物問題を広い視点で見てほしいものです。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 今アメリカで問題になっている飛行機搭乗時における動物の扱いに関する記事を紹介します。搭乗時の動物の体調不良や死亡事故なども起きており、また「感情支援動物(emotional support animals)」の搭乗の可否についても議論が飛び交っています。 周りの乗客の安全や快適さに配慮しなければならないのはもちろんのことですが、動物にとって、果たして機内での長旅はどの程度心身にストレスがかかる環境なのでしょうか。航空会社関係者はもちろん、飼い主自身もこの点について考えなければならないのではないでしょうか。動物を連れている人間には、動物の飼養管理者として、この点を検討できるような基本的なアニマル・リテラシーを身につけていてほしいものです。 機内で動物にとっても安全かつ過度の負荷がかからない配慮ができるという前提条件が整ったうえでの議論が進むことを願います。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 動物介在介入(AAI)で医療施設を訪問する犬により、小児がん患者にMSRAを蔓延させるリスクがあるという警告的な内容の研究の要点をまとめた記事を紹介します。MSRAは、通常は無害な常在菌ですが、免疫系が弱っている者に対しては、感染症の症状を引き起こすリスクがあるとのことです。 このような活動に従事する関係者間では、通常は、訪問日に犬のグルーミングを必ず行う、犬を触る人間の手の除菌を徹底するなど、衛生管理については厳しいプロトコルが存在するはずです。しかし、MSRA蔓延のリスクが高いという結果を出した活動においては、このプロトコルが厳密に遵守されていなかったそうです。 AAIに従事する関係者はつい動物を受け入れたい、訪問させたいがために、このようなリスク管理の視点をおろそかにしがちですが、参加する動物やボランティアの健康や安全はもちろん、対象者の身を危険にさらすということはあってはならないことです。とにかく動物を導入するということよりも、リスク管理を徹底させるということこそ、このような活動に従事する者全員が最優先で行うべき事柄です。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 今年の初めにNGOなどにより動物の不適切な取り扱いを指摘され、書類送検・起訴された堀井動物園ですが、その実態をつづった記事を紹介します。動物福祉に配慮がみられないような飼養管理状態、来園者の安全や衛生管理など、随所に問題がみられるような管理体制で運営されていたことが指摘されています。 今回は関係者が重い腰を上げて、法律で裁かれる段階まで対応が進みましたが、本来はこのようなひどい事態になる前に動かなければならない事案であることは明白です。 行政や関係者が適切な対応をすることはもちろんですが、私たち消費者も動物を取り扱うあらゆる業者を厳しい目で監視し、そのサービスを利用する時は、納得のいく業者しか使わない、または疑問点がある際は声をあげるなどができるように、アニマル・リテラシーを身につけたいと改めて感じます。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー スイスの高齢者施設における動物介在介入(AAI)の様子をつづった記事を紹介します。記事内には、AAIの様子が観られる動画も埋め込まれており、大変参考になります。また、記事においては、ちゃんと動物のニーズ(動物の福祉)にも配慮する必要がある点が記載されています。 記事では細かく触れられていませんが、当法人の資料などで解説している通り、AAIを成功に導くためには、動物の福祉への配慮はもちろんのこと、ハンドラーの適性、施設スタッフの協力体制、そして施設そのものの評価など、様々な要素を検討する必要があります。 すでにこのような活動を導入している関係者はもちろん、これからこのような活動にかかわることを考えてらっしゃる方々にも、より良い実践のために、ぜひ資料を読んだり、活動を見学することを通してこれらの要素について考えていただければと思います。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー ある調査により、プラスチックや化粧品、ペンキなどの身近な製品に使われているフタル酸エステルという化学物質がイルカの体内に蓄積されているということが判明したという記事を紹介します。 この化学物質がどのような経緯でイルカの体内に蓄積されるに至ったのかは判明しておらず、この化学物質がイルカの健康にどのような影響を及ぼすかについても分かっていないようですが、人間の営みにより流出した化学物質が、この調査地点のイルカのみならず、世界中のイルカたちに影響を及ぼしている可能性が高いことも記事中で指摘されています。 イルカは寿命が長く、市街地の近くにも生息しているため、生態系の指標となる動物だそうです。この件は、私たちが、直接接触していない動物たちとも影響しあって生きていることを示す例のほんの一つです。私たち人間が間接的に相互作用しあっている動物たちについても知って、考えることは、アニマル・リテラシーの重要な部分と言えます。 |
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内容 | 【他法人様リソース紹介】ー 近年、日本では殺処分ゼロが叫ばれていますが、この殺処分ゼロの裏にある日本のペット事情の課題をわかりやすく整理した啓発動画を紹介します。 ずーシャキ様作成の「『殺処分ゼロ』だけじゃダメ!?日本ペット闇事情」です。公益社団法人日本動物福祉協会様も、この啓発動画をウェブページで紹介しています。 一般消費者にとってもとても分かりやすく、アニマル・リテラシーを向上させるためには、大変役立つリソースです。ぜひご覧ください。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 南アフリカがライオンの骨の輸出枠を大幅に増やすことを公表したという、ライオンの(身体の部位の)商取引に関する記事を紹介します。ライオンの骨は、主に東南アジアにおいて伝統薬の材料等に使われているそうです。 繁殖施設で繁殖されたライオンの骨であれば、輸出が合法であるのですが、南アフリカのライオンの繁殖施設は、飼育環境の劣悪さやキャンド・ハンティング(canned hunting: 動物を囲いの中に閉じ込めた状態でスポーツハンティングを楽しむための娯楽施設)等々、様々な問題を抱えています。骨の輸出枠を大幅に増やすという南アフリカ政府の決断の背景には、繁殖施設で増え続けるライオンの骨を減らすという目的と、繁殖施設からの供給を制限することにより増えることが懸念される密猟等の供給手段をけん制するためとのことです。 野生動物の問題は、単に動物の問題ではなく、市場が存在し、需要と供給があり、経済問題が絡むことが多々あります。そんな中、その仕組みを知り、無知な消費者としてその需要を作り出すことに加担しないよう、アニマル・リテラシーの向上につとめることが重要なのではないでしょうか。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 犬が、人間の感情を読むことを示唆する研究はこれまでも公表されているとのことですが、悲しむ飼い主に犬が実際に手(肉球)を差し伸べてくれるか調査した研究のまとめが日本語の記事として公表されているので紹介します。 研究の課題は、ドアの向こうに閉じ込められている飼い主を助け出すというもので、半分の飼い主には閉じ込められている最中歌をハミングしてもらい、残り半分の飼い主には15秒ごとに「助けて」と囁くことをしてもらったそうです。 ドアを開けた犬の割合は、両群ともに差がなかったのですが、ドアを開けるスピードに差が出て、「助けて」と囁いていた飼い主の群のほうが、犬がより素早くドアを開けるという結果が得られたそうです。研究結果に対して、論文では細かい考察が展開されていますが、その一つに、この研究結果が犬が飼い主の苦痛にに気づき、行動することができることを示すものと解釈できるとあります。 長い間、犬と人間が築いてきた関係性を物語る研究結果ではないでしょうか。私たちは社会の営みの中、何気なく動物を活用する活動を多々展開していますが、動物が絆づくりの対象となりうる、感覚のある生命体であることを改めて感じさせられます。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー トラの闇取引の現場に関する記事を紹介します。 多くの日本の一般消費者は、トラが薬や装飾品のためにこのように闇取引されている実態を知らず、トラの姿を動物園でみかける程度だと思います。 国際社会にはワシントン条約等、野生動物を守ろうとする仕組みは存在するものの、その多くが闇の中でいまだに取引対象となっているのが現状です。 もちろん、密猟、密輸、闇取引の商売等にかかわる当事者に非があるのは当然ですが、多くの場合、末端の消費者は一般市民です。記事によると、トラの需要は主に中国にあるとのことですが、日本でもエキゾチックペットや象牙等、本来保護対象となるべき動物が何も知らない消費者の需要を満たすために犠牲になっている状況があります。 このようなことを知り、一消費者として需要を作らぬように心がけることも、またアニマル・リテラシーの向上につながります。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 多くの方は、インコやオウム等の鳥と聞くと、ペットで飼われているものを思い浮かべるのではないでしょうか。 実はこれらの鳥の多くは絶滅危惧種を守るワシントン条約の保護対象となっていることをご存知ですか。 このような鳥が、現在どのように流通しているのか、どのような保護活動が行われているのか、詳しく書かれた記事を紹介します。 インコやオウムは日本でもペットとして飼われていますが、これらの動物の中には保護が必要な種類もあり、一部密猟が続いている可能性や、保護のために様々な取り組みがなされていることを知っている方はごく少数なのではないでしょうか。 このようなことについて関心を持ち、知ることもアニマル・リテラシーの向上につながります。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 野生動物を密猟者等から守るレンジャーですが、とても過酷な仕事であることを知っていますか。 任務中に事故や密猟者との衝突で命を落とす者もおり、また十分な装備や訓練がないまま任務に赴かなければならない者もいます。 「動物保護」というと、多くの日本の消費者が犬や猫の保護活動を行う動物保護団体を思い浮かべるのではないでしょうか。動物を守る職業は、何も犬猫の保護譲渡活動を行うものだけではありません。 私たち人間がどのように動物を保護し、共存を図ろうとしているのか、動物と袖すり合う様々な職業について知ることも、アニマル・リテラシーです。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 犬が私たちの言葉遣いや声のトーンをどのように解釈しているかについて、興味深い研究結果に関する記事を紹介します。この研究の結果によると、犬は、私たちの言葉遣いや言葉のトーン(赤ちゃん言葉)と、言葉そのもの(例えば、「おやつ」等、犬が好みそうな言葉)の両方で、人間の会話を認識しているようです。 犬が私たちの言葉の様々な側面を認知し、それを私たち人間とのコミュニケーションに取り入れているということは、私たち人間と犬が長い間同じ社会で共存してきたことを示すゆるぎない証と言えるのではないでしょうか。 また、記事の中でも言及されている、最近「幸せホルモン」と言われ注目されているオキシトシンは、人と動物のプラスの関係に大きくかかわっているカギとなる要素です。記事にもあるように、このオキシトシンが、犬が「良いもの」、「楽しいもの」と認識するような私たちの声のトーンや言葉そのものの処理にどのようにしてかかわっているかという点も今後研究されることを期待します。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー プラスチックゴミによる環境汚染で野生動物が被害を受けているということは、最近よく環境問題の話題として取り上げられていますが、どのような動物がどのように被害にあっているのかわかりやすくまとめた記事を紹介します。 私たちの生活を便利にするプラスチック製品ですが、その陰で、様々な動物たちが大変な目にあっているのです。そして、この記事が触れているように、動物たちへの被害は、最終的に私たちに戻ってくるのです。同じ地球で暮らす私たちと動物たち、動物たちにダメージを与えるものは私たちにも降りかかります。このようなところでも動物と人間は表裏一体の関係で、「One Welfare」や「One Health」という概念がとても理に適っているものだと痛感せざるを得ません。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー アメリカのワシントンDCで、官民共同で猫の「国勢調査」が行われることになったという記事を紹介します。「DCキャット・カウント」と称されるこのプロジェクトは、猫の頭数を把握することで、動物保護施設に対し効率的にリソースを割り当てることができるということと、野生動物の研究者が野良猫の頭数を管理するのに活用できるというメリットがあるそうです。 地域猫、野良猫の繁殖、猫による野生動物の捕食等、日本でも猫の個体群管理の難しさから様々な課題が浮上しています。欧米では、動物保護も今やエビデンスベースの実践が奨励されていますが、まずは状況を把握するという意味で重要なデータとなるのではないでしょうか。動物を守るということは、何も動物救護活動そのものだけではなく、長期的に人と動物が共存できるようにするための「状況把握」や「データ収集」も重要な側面であるという認識を持つこともアニマル・リテラシーの向上につながると言えます。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 今の世の中、動物を搾取したり、乱暴に扱う昔からの風習や文化は、動物に対する倫理的な配慮という観点から、常に議論の対象となります。韓国の犬食もその一つです。先月、韓国において、犬の食肉処理に初の違法判決が下ったというニュース報道がありましたが、犬肉の是非については、動物への配慮と文化としての存続という主張が対立しあって、解決には時間がかかりそうです。 日本においても、動物を乱暴に扱う祭事や捕鯨等、「動物への配慮」と「文化論」がせめぎ合う課題が多々存在します。 かつて一部の人間が奴隷等として搾取されていた昔から、倫理的価値観が発展し「人権」という概念が普及するにつれて、人間を搾取する文化や伝統も、倫理的価値観の変化に合わせて廃止・変化してきたという経緯があります。大昔は生贄や人柱等の文化や風習があった社会でも、当然ながら、今は現代の倫理的価値観に合わせてこのような風習は廃止されています。 人間への配慮と同様、今の世の中、世界は確実に動物にやさしい世の中へと変わりつつあります。そして、動物の保護は、実践や規制双方において「動物福祉学」という科学的根拠をベースとしたものに代わりつつあります。このような動物に対する倫理的価値の変容に伴い、私たちは動物を用いる文化をどのように改めるべきなのでしょうか。このような観点で人間社会と動物のかかわりについて考えることもアニマル・リテラシーの一環と言えます。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 京都大学 物質−細胞統合システム拠点の取り組みを紹介します。 この研究所では、iPS細胞を活用した技術や臓器チップ(臓器の仕組みを小さいチップ上に再現し、化学物質等が身体の中でどのように作用するのか試験できる技術)の研究が行われています。動物に関心のある方々の多くは、このような技術について、動物実験の代替として活用され、実験動物の犠牲を減らすために使われるものという認識を持ってらっしゃると思いますが、ここの研究所は、このような技術を野生動物の治療にも役立てるという取り組みを行っています。 特に絶滅危惧種については、生身の動物を使って治療法の開発ができず、治療法の開発ができないと疾病等により、さらに個体数が減ってしまうという悪循環が発生します。そのような中、この研究所では絶滅危惧種から採取した血液等からその動物のiPS細胞を作り出し、臓器チップ等の技術と組み合わせて、生身の動物を使うことなく治療法の開発ができるように研究しているとのことです。 実験動物を救うことが期待されている技術が、野生動物をも救う可能性があることは、とても素敵なことであると思います。 また、一見動物と何の関係もないような技術や分野でも、動物とつながりがあるということを認識するのも、またアニマル・リテラシー向上の第一歩です。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 動物虐待の動画投稿が後を絶えないというニュース記事を紹介します。 動物虐待自体が違法行為であり、動物に苦痛を与える決して許してはならない行為ですが、近年の研究では、動物虐待を目撃するだけでも、目撃者に悪影響を及ぼす可能性が指摘されていることをご存知ですか。 動物を痛めつけるという行為は、当然見ている人間にとっては不快な行為であり、心的負担になるのですが、それ以上に、繰り返し動物虐待にさらされることにより、その行動を手本として暴力を学習してしまったり、暴力に対する鈍化が起こり、より暴力に寛容になってしまう等の悪影響があることが指摘されています。このような観点からも、動物虐待の「被害」は決して被害にあっている動物のみに及ぶものではないと言えます。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 南西諸島に生息する野生動物のペットとしての捕獲・取引に関する報告書をWWFが発表したという報道がありました。 日本国内での取引についても違法行為が認められたそうです。 物珍しさから飼ってみたいと思う人、またはコレクターのように珍しい動物種を収集している人等、このような動物の需要を作り出す一端を担っているのは私たち消費者です。 自分たちの動物へのかかわり方が、当の動物たちにどのような影響を及ぼしているのか、この点について考え、知ることも、アニマル・リテラシーの向上につながります。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 犬の「かわいさ」の理由について、みなさんは考えたことがありますか。 犬のかわいさは、人間に魅力を感じさせ、ペットとして飼われ、その生存率を高めるための手段として進化したことを示唆する研究の概要が紹介されています。 このような研究結果を目の当たりにすると、長い年月の間、犬と私たち人間が共に進化してきたということを実感します。犬は私たち人間の社会で生存・生活するために適応した動物であり、また私たちはそんな犬をコンパニオンとして、作業動物として、癒しとして(そして残念ながら、時には実験動物として...)、あらゆる方面で活用してきたという、相互関係の深さに改めて感心します。 それと同時に、この関係性に、ヒトと動物の関係学という学問にみるように、私たち人間が動物との関係を探求し続ける動機の原点のようなものを感じます。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 子どもと犬の関係について、興味深い海外研究に関する記事を紹介します。 研究では「ペットとして飼われている犬と関係が近く結びつきの強い子どもは、両親や仲の良い友達との絆も強く良い関係を築いている」という結果が得られたそうです。研究の原著論文では、さらに犬と子どもの関係性の質(犬が自分にどれだけ愛情をもっているか、犬がどれだけ自分のサポートになっているか等、子どもが認識している自分と犬の関係)と母親への愛着が、実際の犬と子どものやり取りの様子を予測する要素であり、また親との関係や友達との関係は、子どもの社会的適応度(ソーシャルスキル等)と関連していたが、犬と子どもの関係性の質は子どもの社会的適応度と無関係であったということが報告されています。日本語の紹介記事でもあるように、単に犬を飼うだけでは子どもの情操教育や成長のサポートには決してならないのです。 健全な人間関係があってこそ、動物とのプラスの関係が築け、動物からの恩恵を受けることができるということを示した研究と言えるのではないでしょうか。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 先月の投稿でペット保険に加入している犬猫の飼い主がペットにどのくらい支出しているかという調査について紹介しましたが、アメリカの調査結果の概要を示す記事を紹介します。 調査設計や手順が公表されていない簡略化された調査なので、その結果の正確性については不明ですが、それでも、犬猫以外の動物をペットとして飼育している方も多い中、小さい動物でも責任をもって命の世話をするということには、それなりの覚悟のみならず金銭的負荷もかかるということを示す指標としては役に立つデータと言えるのではないでしょうか。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 動物との接触がなく都会で育った人よりも、動物と接触しながら田舎で育った人のほうがストレス関連の精神疾患への耐性があることを示唆する研究結果がドイツのウルム大学とコロラド大学ボルダー校の研究チームによって発表されました。 動物と接触を持ちながら育つことについては、情操教育面やアレルギー面等で様々なプラスの効果があることが提唱されてきましたが、人と動物の関係とは本当に多面的であることを思い知らされる研究結果であり、人と動物の相互作用について改めて考えさせられます。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー アイペット損害保険株式会社が、ペットとの生活が子どもに与えた影響についての調査結果を公表しました。 ペットが子どもにとってどんな存在か、またペットが子どもに及ぼしたプラスの影響など、興味深いデータです。 「ペットは家族の一員」という飼い主は昔からたくさんいらっしゃると思いますが、このような認識は学問の世界でも徐々に広まってきており、家族という一つの共同体の中でペットが他の構成員とどのように相互作用しあっているかということが研究の関心対象となりつつあります。 そんなペットと家族の相互作用の片りんを垣間見ることができるようなアンケート調査です。 |
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内容 | 【他法人様リソース紹介】ー 海外と比べて、日本は動物虐待事件の統計やデータが乏しいと言われていますが、警察庁が、毎年公表する「生活経済事犯」の統計において、動物虐待の検挙事件数等の概要が公表されているのをご存知ですか。 この資料のデータを見る限り、過去数年、検挙に至った動物虐待事件は増加傾向にあります。 他の対人の虐待事件と同様、決して虐待の数が増加しているということではなく、メディアや社会の関心が高まるにつれて、明るみに出る事件数が増えているということであると推測されます。 動物虐待は対人暴力等の反社会的行動のリスク要因であると言われている中、これらの事件において、適切な対処がされていることを願うばかりです。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 海外の動物事情に関するニュースを紹介します。動物愛護の政策を徹底している国として有名なスイスが、製造上動物福祉への配慮が欠けている動物由来の食品の輸入禁止に向け、動物保護団体が国民発議を立ち上げたそうです。 近年、食品製造の分野でも動物福祉が重要視されているという世界的な動きがありますが、この記事でも取り上げられている、ハラール等、宗教上の理由が背景にある動物の取り扱いについては多くの国において意見が割れています。 世界の動物事情や動物に関する課題について知ることもアニマル・リテラシー向上につながります。 |
参考サイト | 参照サイトへ(外部リンク) ※リンク先の記事に使われている写真には、 食肉処理のイメージが含まれますので、苦手な方はご注意ください。 |
内容 | 【動物関連ニュース】ー Petzbeという新しいSNSアプリの興味深い取り組みを紹介します。ユーザーがペットのアカウントを作って、その動物になりきるという趣旨のサービスです。 自らの(アカウント「主」であるペットの)肉球の写真を投稿しようというキャンペーンで、投稿された肉球の数に比例した寄付金を動物保護団体に贈るという取り組み等、動物関連の慈善事業に貢献する企画も開催されているそうです。 記事曰く、動物になりきり「人間お断り」にすることにより、険悪になりにくいペットの話題をベースとした雰囲気づくりと、人間同士のコミュニケーションの妨げになりかねない社会的障壁を取り除くことができ、コミュニケーションを楽しく、活発化させるSNSとなっているようです。AAIの効果として、動物が持つ「社会的潤滑油」の効果が挙げられますが、生身の動物ではなく、動物の話題でも(そしてSNSのようなバーチャルコミュニケーションでも)類似の効果を得られていると思われる面白い取り組みです。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー ペット同伴OKの職場に関する記事を紹介します。ペットは人間関係の「潤滑油」となることが多いですが、この取り組みでも、このような効果が実感されているようです。 参加する人と動物の安全と健康に配慮するためにきちんとルールを決め、当事者が歩み寄り、見事に成功した例のように思います。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー アイペット損害保険株式会社が実施した、ペットの飼い主の防災に関する意識調査を紹介します。 結果によると、半数以上の犬猫の飼い主が、最寄りの避難所がペットを連れて避難可能か把握していません。ペットへの対応が社会的な課題であり、人の支援につながる一方、飼い主自身も自分でできる準備をしてしっかりと備える必要があると感じます。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 海外のニュースを紹介します。 スイスの小売最大手のミグロというスーパーが、2020年末までに、放し飼い以外でとれた鶏卵の販売を廃止するということを発表しました。動物の福祉のため、また消費者のニーズに応えるため、ということです。 日本では、まだまだ消費者の多くが畜産動物がどのように扱われているかあまり知らないという印象です。しかし、一部の消費者の間では、少しずつ畜産動物の福祉に配慮した製品を買いたいという要望が増えているようで、スーパーに行くと、放し飼いでとれた鶏卵が品薄という場面にも遭遇します。 畜産動物の福祉は、もちろん動物への配慮としても重要ですが、過密状態で病原体が蔓延しやすく、また動物にストレスをかけることにより免疫機能が低下している個体が多くいる状態は、サルモネラ等が流行しやすいという研究結果も出ており、動物の福祉に配慮した生産体制は、公衆衛生の側面からもプラスの効果があることも指摘されています。また、過密状態の工場的畜産では、大量に出る動物の排泄等が適切に処理されないと環境汚染につながるということも指摘されています。 私たちが知らず知らずに日ごろからお世話になっている動物たちにかかわる課題は、実は様々な社会的課題と密接に関連しているのです。それを知ることはアニマル・リテラシーの向上につながります。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー e-コマースにおける野生動物の不正取引の防止を徹底するための取り組みを、複数の国際動物保護団体が共同で開始したというニュースを紹介します。 私たち日本人消費者は、自然豊かな外国の地で暮らすこのような動物たちと縁遠い生活を送っていると思いがちですが、案外身近な製品に、このような取引が規制されている動物由来の原料が使われていたりします。日本人にとっては、印鑑等の日用雑貨にも使われる象牙がその良い例です。 自分が使う製品に動物が使われている場合、消費者として、そのルーツや供給源について考え、知ることもアニマル・リテラシー向上につながります。 |
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内容 | 【動物関連ニュース】ー 犬の精神的不調に関する記事を紹介します。 記事の通り、犬も人間と同様に、精神的に負荷がかかることによりメンタルヘルスに支障をきたすことがあります。 この点は、当法人で度々取り上げている対人暴力と動物虐待の関連性(LINK)においても意義のある重要なポイントです。 子どもがDV(ドメスティックバイオレンス)を目撃すること自体、心に負担がかかるため、子どもの心理的虐待とみなされていますが、研究者の中には、ペットが家庭における対人暴力を目撃すること自体がペットの心理的虐待になりうると警鐘を鳴らす者もいます。 対人暴力と動物虐待が蔓延し、負の連鎖が発生している環境は、人間にとっても、また動物にとってもあらゆる側面で負荷がかかるということを再確認できるポイントです。 |
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内容 | 【動物関連トピックス】ー 動物介在介入(AAI)は、医療や福祉のサービスを必要としている弱い立場の集団に実施されることが多く、また動物という100%予測できない要素を介入させるので、リスク管理を徹底する必要があり、どのような集団や施設においても気軽に導入できる取り組みではありません。対象者はもちろん、動物を連れているハンドラーや動物そのものの安全やウェルビーイングに気を配る必要があります。そんな中、近年動物型ロボットのパロがもたらすセラピー効果が注目されています。少し前の研究論文ですが、こちらから「情報管理」という学術誌にて公表されたパロのセラピー効果に関する論文を読むことができます。 どうしても動物を入れられない施設や、介入の対象者候補にアレルギーや動物虐待の経歴がある等、関係者と動物双方の安全上AAIが難しい場合等において、パロのような動物に近い効果を得られる道具を使った介入は、有効な選択肢であるかもしれません。 |
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内容 | 【動物関連トピックス】ー 動物虐待と対人暴力の関連性(LINK)について、少し前のものですが、医療・健康情報のニュースサイトにおいてわかりやすくまとめられた記事を紹介します。日本においては、動物虐待に対応する動物保護団体がLINKに注目することが多いですが、動物虐待はヒューマンサービス側が対応しなければならない「人間」の問題のリスク要因でもあるので、このような医療・健康情報を扱うニュースソースで取り上げられることは、ヒューマンサービスに関心を持つ関係者への露出が増えるという観点から、社会全体のアニマル・リテラシーの向上につながる重要な一歩であると言えます。 今後はさらに一段階進み、動物に対応する関係者と人間の専門家が情報を共有し、協力体制を築いた上でLINKに対応できるような流れができることを願います。 |
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