さらに、最近の動向としては、ようやく補助犬の訓練は動物福祉の基準を守らなければならないという宣言1)を国際盲導犬連盟 (International Guide Dog Federation, IGDF)とアシスタンス・ドッグス・インターナショナル(Assistance Dogs International, ADI)が共同で発表している。犬のトレーナーのためのそういった基準については、そのだいぶ前の2001年に人と動物の関係に関する国際組織(International Association of Human-Animal Interaction Organizations, IAHAIO)リオ大会でペットパートナーズ(旧デルタ協会)が基準をまとめた本の発表を行っている。2)この本の日本語版はD.I.N.G.Oが出しているが、原本の作成委員会の中にはテリー・ライアンを含めスザンヌ・ヘッツ、パム・リード、トリッシュ・キングなど犬の行動学やトレーニングの大御所が名を連ねており、中身が極めてしっかりとした本に仕上がっている。この本の副題は「効果的かつ人道的原理」であるが、そこから20年以上経ってようやく補助犬の関係者が出した宣言の中には、効果的であり人道的な訓練が謳われているのである。しかし考えてみれば、「better late than never(遅れても一切やらないよりはまし)」ということなのであろう!