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特別無料記事3
5周年記念に寄せて ― アニマル・リテラシーについて考える
2022年11月25日 掲載
特別無料記事3 5周年記念に寄せて ― アニマル・リテラシーについて考える
おかげさまで、一般社団法人アニマル・リテラシー総研は、今年で5周年を迎えることができました!そして、今月で、ウェブサービスの提供を開始してからもちょうど5年目を迎えました。皆さまの日頃の応援に対して感謝の意を表したいと思います。本当にありがとうございました!
さて、5周年記念に改めてアニマル・リテラシーとは何かについて考えてみたいと思います。そして、何故、今我々にとってそれが大切であるかという点も検討してみたいと思います。まず、一番私たち人間が認識しなければならないことは、自分たちだけで生きているという考え方は間違っているということでしょう。私たちは、様々な生き物たちとのかかわりの中で生かされているのです。それは単に動物を食べているということではありません。日常的に使用する化粧品、体調が悪い時に頼る薬、その他様々な生活必需品は
実験動物
の犠牲の上に成り立っているのです。安心、安全と色々な製品を何気なく使っている私たち人間は、実は犠牲になった動物たちの上に胡坐をかいているに等しいと言っても決して過言ではないでしょう。農作物の受粉をしてくれる生き物たち、自然のバランスを保ち地球環境を守ってくれている生き物たち、これらすべてがいるから人間は生きていけるのです。
しかし、人間は自分が食物連鎖の頂点に立つ尊い存在であるというおごりと共に、長年自分勝手な生き方をしてきました。そのおかげで科学や経済が発展し、生活が豊かになり、幸せな人生を皆が歩むことができるようになったということなのでしょうか?今日の世界を見ると、決してそうではないような気がします。むしろ、人間の本質が段々と蝕まれているのではないかと思わせるような現実が展開されているように思えます。
我々が人としての自覚を持つためには、今何が必要なのかを考えた時に、私は「他の生命に対する認識を新たにする」ということであると考えています。当法人が以前公開した
動物介在介入に関する記事
でも解説した「原始の血の説」というものがあります。動物が人間にとって原始時代から環境のバロメーターとしての役割を果たしてきたという考え方です。単純化すれば、「
彼らがハッピーであれば我らもハッピーである
」ということです。これは、単にペットたちをかわいがりましょうというようなことだけではないのです。例えば、牛でも豚でも過剰なストレスがかかるとその肉は不味くなるということは、多くの専門家たちが知っていることです。美味しい肉を食べたいと思ったら、彼らが息絶える瞬間までハッピーでなければならないのです。学校ウサギが子どもたちにとってそこが最良の環境であることを知らせるバロメーターになるためには、快適で幸せな生活をさせてもらっていなければならないわけです。鳥がさえずり虫が鳴く、すべて世はこともなし、これを知らせてもらえば人間の心は落ち着くことができるのでしょう。しかし、それを知らせてくれる者たちがいなくなったらどうなるのでしょう?
そうです、我々には彼らが必要であり、そのためには彼らのことを知る必要があるのです。人間には自分以外の生命体がどのような生き方をしているのか、あるいはどのような生かされ方をしているのかを知る義務があると言っても良いでしょう。何故ならば、彼らの境遇は、いずれは人間の存在にものごとを知らせるバロメーターとして跳ね返ってくるからなのです。自分がどのようにして生かされているのかを知り、それに対する認識を確固たるものにすることができれば、人間は一歩前進しあらゆる意味でより住みやすい社会、より理想に近い地球環境を作り出すことができるようになると確信しています。
そしてその「知る」という行為をより具体的にするのが動物一般教養、すなわちアニマル・リテラシーを身に付けることなのです。
人と動物の関係
とは、扇の扇面のようなものです。しかし、その扇面は複数の骨で作り上げられています。扇面にどのような絵が描かれているのか、さらにはどのような絵を描くのが正しいのかを考えるためには、骨一本一本に含まれている情報を正確に把握しておく必要があります。実験動物は?展示動物は?愛玩動物は?食用動物は?学校動物は?使役動物は?野生動物は?その一つ一つが置かれている状況と人間とのかかわりなどを知ることによって、少しずつ扇の扇面に描かれている情景を把握することができるようになるでしょう。
また、そのようなことを知ることができれば、人間の生活がいかに動物たちと密接につながっているかについて認識することもできるのです。例えば、
動物虐待と対人暴力は多くの場合に連動している
ということを知れば、動物好きな人間でなくとも動物虐待がいかに社会的に大きな問題であるかを認識することができるのです。そして、動物を守る活動は決して「動物愛護家」だけに任せるべき分野ではないことを知ることができます。そのような社会的認識が形成され、その結果として動物の生活がより安全に、快適になったとすれば、最終的には原始の血の説に基づき人間もよりハッピーな生活を送ることができるようになるでしょう。近年世界を震撼させている新型コロナウィルス感染症も、実は野生動物由来であるという説が有力視されていますが、そのことを日本のメディアではあまり重要視していないような印象を受けます。むしろ、相も変わらず珍ペットに関する「楽しい情報」が流されているようです。しかし、動物に関する一般的な知識として、人獣共通感染症などの危険を正確に人々が把握することができれば状況は一変するでしょう。野生動物輸入大国である日本にそのような情報が普及すれば、それがブレーキとなり海外からの野生種の流入が減速するはずです。その結果として、密猟や違法取引が減少すれば第6大量絶滅期を迎えたと言われている地球環境には、多少なりともポジティブな影響がでるのではないでしょうか。
アニマル・リテラシーとは、実は人間がより良い生活環境を作り上げていくためにはどうしても必要なことなのです。あらゆる動物のことを人間も動物界の一員として知るべきである、改めてそう思う今日この頃ですが、一般社団法人アニマル・リテラシー総研は、今後とも皆さまが動物一般教養を身に付けるために活用できるような、様々なリソースを提供し続ける所存です。引き続き皆さまの温かい応援をお願いいたします。
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